千年の都を見守る守り神、鍾馗さん

鍾馗さん

京都の町を歩いていると、昔ながらの町家の屋根や軒下にちょっと見た目が怖い仏像のようなものをよく見かけます。

これは「鍾馗」さんと言い、京都では昔から魔除け・厄除けの守り神として信仰されています。

鍾馗さんには諸説ありますが、中国の唐の時代に実在していた人物と伝えられています。

鍾馗さんは、現代でいう官僚の試験に挑みますが、自身のその見た目が災いとして不合格になってしまい、それを恥じて自ら命を絶ちました。

それを耳にした高祖が手厚く葬ってくれた恩義として、後の時代に高熱で寝込んでいた玄宗皇帝の夢に鍾馗さんが現れ、夢で悩まされていた小鬼を退治してくれたとされています。

玄宗皇帝は夢に出てきた鍾馗さんの姿を絵師に描かせて、邪気を祓うものとしての信仰が広まりました。

以上の伝説がありますが、この伝説が仏教や美術工芸などと一緒に日本にもやってきて魔除けの霊力を持つものとして信仰を集めるようになりました。

平安末期の製作と伝わる国宝の「辟邪絵」にすでに鍾馗さんが描かれています。

京都内でのエピソードとしては1804~1830年に話題となった事件や噂をまとめた「街談文々集要」に瓦の鍾馗さんについて記載があり、とある三条の薬屋の屋根に大きな鬼瓦を作ったところ、この家の向かいの女房の具合が悪くなりました。
医者によると、これは向かいの鬼瓦の鬼の仕業と推察。
向かいの鬼瓦に対峙するかのように、女房の住む家の屋根に鍾馗像を掲げたところ、病が回復したそうです。

この「鬼を鍾馗像が退治した」という話が町中に広まったのか、当時から現代まで京町家には当たり前のように鍾馗さんが置かれるようになっています。

LUTEN京都五条では、屋根ではなく玄関先の頭上にひっそりと佇んでいます。
ぜひ見つけてみてください。

参考:鍾馗さんを探せ!! 京都の屋根のちいさな守り神 小沢正樹 淡交社

上部へスクロール