京町家からは外観や内観も昔ながらの雰囲気を感じ取ることができますが、京町家に置かれている小物にも京都らしい特徴が今でも残っています。
それが「伏見人形」の布袋さんです。
伏見人形は伏見稲荷大社の千本鳥居で知られる稲荷山の土で造った日本最古の土人形とされ江戸時代初期には生産されていたという記録が残っていますが、実は何年ごろから作り始めたのかは分かっていません。

京都では昔から、家を持つとおくどさん(台所)の荒神棚(釜戸の近くで荒神を祀る棚)に伏見人形の布袋さんを並べる習わしがあります。
「並べる」ということが要点で、なんと布袋さん1体だけでなく小さい布袋さんから大きいサイズへと毎年買い足していき7体並べると財福、火難防止のご利益があるとされています。
布袋さんは七福神の福の神として信仰の対象になっていますが、その布袋さんが台所で火難防止として信仰されるようになった根拠は実は分かっていません。
7体の集め方ですが1度に集めるわけではなく、毎年2月初旬の伏見稲荷大社の初午という祭礼の日に1体ずつ集め、それを7年連続で行います。
布袋さんは七福神の1人に数えられるため、「七福神」と同じく7体の布袋さんが揃うことで縁起が良い数字だと言えます。
しかし注意点が1つありまして、7体の布袋さんを集めている7年間の間に不幸が起これば、集め途中だった布袋さんは神社に納めてまた1体目から集め直しになります。
近年の京都からは昔ながらの町家はどんどん空き家、解体が進んでいるため、伏見人形の布袋さんを集めている家庭も少なくなっています。
LUTEN京都五条ではこの京都の文化を残していきたいと思いキッチンでこの伏見人形の布袋さんをお祀りしていますので、実際に見てみたい方は遠慮なくお声がけください。
引用:伏見人形の話 緑紅叢書 第40輯


